脊髄麻酔 看護学生嘆きの部屋

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    脊髄麻酔






    脊椎麻酔

    1. 髄液の特性

     組成:   pHおよび細胞数、空白、塘、イオンなどが味酔薬の広がりに及ぼす
          影響は軽微である。
    蛋白濃度は比重に多少の変化をもたらす
     量:      慢性的に腹腔内圧の上昇している患者(腹水、腹腔腫瘤、
    妊娠後期)では硬膜外腔の静肱怒張により脊椎管腔は狭く、
    粘液量は減少している.
    高齢者においても髄液量は少ない。この場合には薬液は
    少量で頭側に広がりやすい。
     髄液圧: 慢性的に粘液庄の亢進している場合には、脊椎穿刺は
    頭蓋骨内ヘルニアをもたらす危険がある.
    咳やいきみ、過換気など、胸腔内庄を介してもたらされる
    急な髄液圧の充進は従来麻酔薬の広がりを促進すると
    考えられていた。
    しかし近年これを否定する報告が多い。
     比重:   薬液の比重との関係で重要な意味がある。正常成人の
    髄液の比重(specific gravity)は37℃において、
    1.0069±0.0003(1SD)である。
    高位背堆麻酔時におけるバイタルサインの変動

    循環器
    1.低血圧:交感神経遮断により広範な動脈・細動脈・末梢血管拡張が
    発現し低血圧が生じる。
    2.徐脈:1)T1-5の節前性心臓交感神経遮断が生し徐脈となる。
    さらに広範な末梢血管拡張に伴い、静脈還流量は減少する。
    徐脈と静脈還流量低下により心柏出量は減少し、
    これも低血圧の出現となる。     
    2)大静脈およぴ右心系に存在する圧受容器(血庄低下により徐脈をきたす)
    が、大動脈弓およぴ頚動脈洞に存在する圧受容器
    (T1-4の支配:血圧低下により頻脈をきたす)よりも優位となり徐脈となる。
    呼吸器
    呼吸抑制:高位脊椎麻酔により肋間筋の麻痺が生じ肺活量は減少する。
    患者は咳ができない・息苦しい・声が出にくい、などを訴える。
    低血圧により延髄・呼吸中枢への血流が減少すると
    呼吸停止をきたすことがある。
    中枢神経系
    意識障害:低血圧により脳血流量の低下が最も考えられる。
    高位脊椎麻酔でも全脊椎麻酔と同様、脳幹網様体賦活系の
    血流低下による機能抑制から意識消失をきたすと
    考えられている。
     

    脊椎麻酔で使用される局所麻酔薬
     
    一般名
    商品名
    濃度(%)
    溶媒
    比重(15度)
    作用時間
    製剤
    高比重
    dibucain
    ペルカミンS
    0.3
    5%食塩水
    1.037
    90-150
    3ml
    dibucain
    ペルカミンS
    0.24
    9.5%ブドウ糖
    1.037
    90-150
    3ml
    T-caine
     
    0.12
    9.5%ブドウ糖
     
     
     
    Tetracaine
    テトカイン
    0.1-0.5
    10%ブドウ糖
    1.035
    90-120
    アンプル中に結晶10mg20mg
    等比重
    Lidocaine
    キシロカイン
    3
    8.5%ブドウ糖
    1.026-1.028
    45-90
    3.5ml
    Bupivacaine
    マーカイン
    0.5
    8.5%ブドウ糖
     
     
    4.0ml
    Tetracaine
    テトカイン
    0.1-0.2
    0.7食塩水
    1.006
    45-90
    アンプル中に結晶10mg20mg
    Bupivacaine
    マーカイン
    0.5-0.75
    蒸留水
    1.010(0.5%)
     
     
    低比重
    Tetracaine
    テトカイン
    0.1-0.5
    蒸留水
    1.003
    45-60
    アンプル中に結晶10mg20mg

     
    麻酔中の主な合併症
     1. 麻酔中に起こる合併症
              
    循環器系  血圧低下、不整脈、心停止、悪心嘔吐
                 呼吸器系  呼吸抑制、呼吸停止
                 その他   高位脊椎麻酔、全脊椎麻酔、アレルギー性反応、
    心因性痙攀戦慄、腸管穿孔
    2. 麻酔後に起こる合併症
                 頭痛、髄膜炎、排尿障害、腰痛、脳神経傷害、
    脊髄神経損傷、その他
     3.脊椎麻酔による呼吸抑制

     脊椎麻酔下で正常者の安静時呼吸を抑制する可能性のある状況
                 1.脊椎麻酔による低血圧に伴う延髄呼吸中枢への血流低下
                 2.脊椎麻酔薬の頚髄、脳幹、上位脳への波及
                 3.脊椎麻酔併用薬(鎮静薬)の中枢抑制 
                 4.手術操作に伴う横隔膜運動の抑制
                 5.呼吸補助筋の麻痺
     

     全脊椎麻酔(total spinal anesthesia)となった場合の状態とその対処

     呼吸抑制
    まず呼吸補助筋(肋間筋)の麻痺が生じ、患者は息苦しきを訴え、
    ついで発声困難を生じる。
    麻酔高がC3-5にまで及べば、横隔膜神経の遮断により呼吸停止が
    生じうる。
    しかし横隔膜神経は強大な運動神経線維であるため、注入された局麻薬による麻痺をきたすことは稀である。
    多くの場合、横隔膜神経麻痺よりもむしろ、延随血流低下による呼吸中枢の抑制から呼吸停止が発現する。
     
     循環抑制
    呼吸抑制と密接な関係がある。呼吸抑制がなけれは軽度の
    循環抑制にとどまるが,これに呼吸抑制が加わると強度の循環抑制となる
    (全脊椎麻酔によりある程度の循環抑制をきたしているときにCO2負荷がかかると、CO2の直接血管拡張作用による静脈還流の低下から心柏出量低下がもたらされる)。
    このことはさらに呼吸中枢への血流低下を生じて呼吸停止へいたる悪循環へ導く。

     対 処: 
    脊椎麻酔中に呼吸停止が生じた場合、ただちにより多くの医師を募り,
    以下の処置を行う。
      1. 心柏出量を保つため,静脈還流量を増やす。
    すなわち頭低位をとる、あるいは
    下肢挙上をする(最も早く、確実である)。  
      2. 100%酸素を投与し、人工呼吸を開始する。
    必要があれは気管内挿管をする。
    呼吸抑制のみであれはマスクによる補助呼吸を開始する。
      3. 全脊椎麻酔時には種々の神経反射,血管収縮が
    抑制されているためドパミン、エフェドリンが有効であると
    考えられている。
    アトロビン、フェニレフリン、メトキサミン、イソプロテレノールでは
    有効な昇庄薬効果は期待できない。

     
    脊稚麻酔の利点
    1.優れた鎮痛効果
    2.交感神経プロッタによる下肢血流量の増加
    3.使用麻酔薬を最小限に抑えられる
    4.出血量の減少
    5.ストレスに対する反応を抑制する
    6.術後合併症の減少

    腹部手術に用いられる局所麻酔法の特徴
    腹部手術に対する局所麻酔法選択に関する考慮因子
     
    知覚神経
    ブロック
    運動神経
    ブロック
    全身への影響
    局麻中毒
    緊急手術
    麻酔医の
    熟練度
    患者の
    許容度
    浸潤麻酔
    普通
    普通
    普通
    強くあり
    なし
    必要
    肋間神経
    ブロック
    強い
    やや強い
    やや強い
    やや強い
    必要
    まずまず
    硬膜外麻酔
    やや強い
    やや強い
    強い
    やや強い
    やや不適
    強く必要
    やや強く必要
    脊椎麻酔
    強い
    強い
    強い
    やや不適
    やや必要
    強く必要
     
    脊椎麻酔の禁忌
     脊椎麻酔の禁忌には絶対的なものと比較的なものとがある。
    大部分は後者に属する。
    (*は絶対的禁忌)。

    1.神経疾患
                 1)中枢神経系疾患:脳腫瘍、脳梅毒、髄膜灸等の感染症、出血
    2)脊髄と末梢神経疾患:多発性粘膜炎、多発性硬化症,
    脱髄性疾患

    2.循環系疾患
                 1)循環血液量減少.脱水
    2)ショック(出血性、乏血性、敗血性)                   
                 3)重症貧血

    3.心血管系疾患             1)種々の原因による低血圧 
                 2)高血圧 
                 3)冠疾患(冠動脈硬化症、冠不全) 
                 4)弁疾患
                 5)心不全*
              
    心不全が上記1)-4)の原因でおきた場合は
    絶対的禁忌となるが,原発性心筋症による心不全の場合は
    比較的禁忌と考え、治療目的としても使える
                
    6)A一Vプロック
     
    4.呼吸器系疾患                               
                 換気障害があると,脊椎麻酔後、高炭酸血症や
    低酸素血症になることがある。
    特に高位脊椎麻酔となった時には注意が必要である。
    一方、肺気腫や気管支痙攣を有する人は脊椎麻酔で
    よい結果を得ることもある。
    喘息を有する患者に高位脊椎林酔を行うと発作を
    誘発する可能性がある。

    5.感 染*
                 1)全身性の感染*(敗血症、菌血症)
                 2)局所性の感染*(皮膚感染、穿刺部位の感染)

    6.解剖学的変形
                 1)脊椎または脊髄の先天性変形
                 2)後天的変形(硬化症、外傷性椎骨蜜形、椎弓切除)

    7.特珠な腹腔内の状澱
                 1)腹腔内庄の上昇(腹水、巨大子宮筋腫、卵巣嚢腫、
    その他の腹腔内腫瘍)   
                 2)拡大上腹部手術
                 3)長期にわたる腸閉塞*

    8.精神状態                                
                 1)非協力的で恐怖感の強い人
                 2)知能低下を伴う患者と精神異常者

    9.出血傾向のある場合.およぴ凝固療法施行中

    10.幼小児と脊椎麻酔を希望しない患者
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    [ 2006/03/03 21:55 ] 外科・手術療法 | TB(0) | CM(0)
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