原発性肺高血圧症 看護学生嘆きの部屋

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    原発性肺高血圧症






    原発性肺高血圧症(PPH)
    1. 定義・疫学
     (1). 前毛細管性高血圧症をきたす原因不明の疾患群の総称
     (2). 安静時の平均肺動脈圧が 25mmHg 以上で、肺動脈楔入圧が正常で二次的肺高血
       圧を来たす疾患がない。
     (3). 30歳前後に発症、女性に多い (2:1)、診断から死亡までが約3年と予後が悪い。
       全年齢に発症し得るが発症のピークは 20 ~ 30歳、5生率は 41.3%。
     (4). 死亡原因は右心不全 (48.6%)、突然死 (26.4%)
     (5). 人種・地域差はない。
     (6). 予後規定因子:呼吸困難の強さ・右心房圧・肺高血圧の程度・レーノー現象
       心拍出係数の低下、肺拡散能の低下

    2. 病理
     (1). 肺動脈病変
     (2). 肺静脈閉塞症 (pulmonary veno-occlusive disease)
     (3). 肺毛細血管腫症 (pulmonary capillary hemangiomatosis)

    3. 肺高血圧症の成因


     凝固異常 ←━━ 血管内皮損傷と内皮機能障害 ←→ 素因による肺血管攣縮
      ├┓        ↓        ┃     ↑  ┃  ┃
      ┃┃ 成長因子やサイトカインの異常  ↓     ┃  ┃  ┃
      ↓┗━━┓     ↓      血管拡張・収縮物質の ┃  ┃
     凝固亢進 ┃ 血管平滑筋増生 アンバランス      ┃  ↓
      ┃   ┃     ┃        ┃        ┃ 反応性の肺高血圧と
      ┃   ┃     ↓        ↓        ┃ 肺細動脈血流の低下
      ┃   ┗━→ 血小板・内皮・白血球の相互作用 ←━━━┛  ┃
      ↓         │        ┃           ↓
     局所血栓形成 ←━━━┛        ┃   肺血管床の障害と
      ┃                 ↓   肺細動脈の減少
      ┃                肺血管反応性異常  ←━━┛
      ┃                 ↓
      ┗━━━━━━━━━━→  血管損傷の悪循環
                    肺高血圧の永続化
                       ↓↑
                    肺血管床の減少
                       ↓↑
          叢状肺動脈病変と血栓性肺動脈病変



    4. PPH の鑑別診断
     (1). 気道系と肺実質を広範囲に侵す疾患
       COLD(肺気腫・慢性気管支炎・喘息)・特発性肺線維症・サルコイドーシス
       肺結核・膠原病による肺病変・急性肺損傷とその後遺症・塵肺・好酸球性肉芽腫
       肺切除後
     (2). 肺胞低換気をきたす疾患
       睡眠時無呼吸症候群・胸郭形成術後・神経筋疾患・脊柱湾曲症・原発性肺胞低換
       気症候群
     (3). 肺血管の閉塞・血管炎
       肺血栓塞栓症・肺動脈炎・肺動脈閉塞症・肺腫瘍塞栓症・縦隔線維症・肺静脈閉
       塞症 (pulmonary veno-occlusive disease)・膠原病に伴う肺高血圧症
     (4). シャントを伴う先天性心疾患
       ASD・VSD・PDA
     (5). 左室流入障害有する左心疾患
       MS・左心不全
     (6). 薬剤性又は中毒性の肺高血圧症
       食欲減退剤 (aminorex)・L-tryptophan・抗癌剤・クラック(コカイン)・な
       たね油中毒
     (7). 肝疾患
       門脈圧亢進症・肝硬変・慢性肝炎
     (8). HIV 感染症
     (9). 高地住民

    5. 臨床症状・所見
     (1). 自覚症状
       呼吸困難(LOS による、肺高血圧の程度と必ずしも相関しない)、動悸、胸痛
       (狭心症様、労作により悪化・安静で軽快)、労作時失神
     (2). 所見
       右心不全、LOS 、末梢静脈圧上昇、チアノーゼ、胸骨左縁下部の収縮期拍動、四
       肢冷感、浮腫、肝腫大、腹水
     (3). 心音異常
       II音分裂、IIP 成分の亢進、三尖弁逆流音、Graham-Steel 雑音
     (4). 胸部レ線
       心左2弓の突出、肺門部血管陰影の拡張、肺動脈の急峻な狭小化と肺野のレ線透
       過性亢進。
     (5). 心電図
       右心系の負荷(圧負荷型の右室肥大)
       RAD 、V1 に qR型、V5-6 の深い S 、胸部誘導で陰性T
       IRBBB 、V1-3 の陰性 U 。肺性Pも見られる。
     (6). その他:心エコー・心カテ等

    6.治療
     (1). 妊娠はいけない、経口避妊薬は禁忌、プロスタグランジン F2α は禁忌、インド
       メタシンも交感神経刺激剤も禁忌
     (2). 酸素療法
     (3). 抗凝固療法
       ワーファリンを PT 時間で 1.3 ~ 1.5倍になる様投与。
     (4). 血管拡張剤
       これが有効なのは病初期であり、従って全体の 25 ~ 30% にしか効果ない。
       有効な患者では機能的な肺血管攣縮があると想像される。
     (5). プロスタサイクリン (PGI2)
       有効であるが CVカテーテルからの持続投与が必要。
     (6). その他
        NO(強力な血管拡張作用)、肺移植
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    [ 2006/08/16 12:47 ] 呼吸器 | TB(0) | CM(0)
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