便秘・下痢 看護学生嘆きの部屋

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    便秘・下痢






    便秘・下痢

    概論
     日本人の1日の糞便量はおよそ150~200gである。糞便量は食物中の線維の量に関係している。欧米は低線維食で便の量は少なく、野菜や芋類などを多く摂取する日本人では量が多い。便通は1日一回有形便を排泄するのが標準的であるが、個人差が大きい。便秘とは、「排便頻度や量の低下により大腸内に宿便のたまった状態で、不快感を伴うことが多い状態」であり、下痢とは「便内の水分の割合に基づいた、便の頻度もしくは量が病的に増加した状態」である。
     便秘は下腹部の膨満感や痛みの原因となり、糞便が長時間にわたって大腸内に停滞すると水分が吸収されて硬くなり、糞石となって直腸に潰瘍(糞石潰瘍)を起こすことがある。
     下痢は水分や電解質(特にカリウム)の喪失を生じやすく、老人などでは重篤な状態になることがある。

     ①便秘(constipation)の発生機序
     a.腸管の蠕動運動の低下。
     b.大腸の機能的狭窄もしくは閉塞。
     c.大腸の潤滑性の低下。
     d.排便痔の肛門周辺の痛みや中枢神経性の障害等による排便行為の不全や抑制。

     ②便秘の分類と鑑別(表1)

     ③下痢(diarrhea)の発生機序
     a.分泌性の下痢:腸粘膜からの腸液分泌の亢進。
     b.脂肪酸性の下痢。
     c.浸透圧性の下痢:腸内容の浸透圧の上昇による腸管からの水分の吸収の阻害。
     d.腸通過時間異常の下痢。

     ④下痢の分類と鑑別(表2)
     小腸に起因する下痢は水分量が多く、膵臓性は脂の浮いた消化不良の便といった特徴があり、下痢の原因になっている臓器別に、小腸性、大腸性、膵臓性と分類することもある。また、過敏性大腸症候群では睡眠中の下痢を見ないのが特徴である。
     表1 便秘の分類と鑑別
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     ①機能性便秘
     a.一過性
     食習慣・内容の変化
     精神的緊張:旅行、試験、転職など
     b.習慣性
     1)弛緩性便秘(運動低下):便意抑制、内臓下垂。
     2)痙攣性便秘(運動亢進):過敏性腸管症候群、下剤常用者。
     3)直腸性便秘:便意抑制習慣、腹筋力低下、下剤・浣腸の乱用、肛門・直腸疾患。
     ②器質性便秘
     a.腸管通過障害便秘
     1)腸腫瘤による狭窄:癌、肉腫、腫瘍の転移。
     2)腸炎による狭窄:結核、潰瘍性大腸炎、Crohn病
     3)癒着(術後、炎症性)
     4)腹腔内臓疾患による圧迫:子宮・女性付属器疾患、膀胱腫瘍、後腹膜腫瘍、癌性腹膜炎、妊娠etc.
     b.大腸の形態異常
     1)先天性:Hirschsprung病、S状結腸過長症。
     2)後天性:偽巨大結腸症、癒着(術後・炎症性)
     ③症候性便秘
     1)循環器疾患:右心不全
     2)内分泌・代謝疾患:粘液水腫、糖尿病、ポルフィリン症、副甲状腺機能亢進症
     3)電解質異常・中毒:鉛、codeine、morphine、抗コリン薬など
     4)その他:うつ病
    ---------------------------------------
      表2 下痢の分類と鑑別
    ---------------------------------------
     ①分泌性下痢
     1)細菌感染
     a)毒素型:アデニリサイクラーゼが刺激されてcyclic-AMPが産生され、水や電解質の著明な分泌亢進が起こる(コレラ、大腸菌など)
     b)粘膜損傷型(ウイルス、細菌)
     2)胆汁産生(胆汁酸が水、電解質の分泌を促進するため。脂肪便:回腸病変、回腸切除)
     3)ホルモン性
     VIP:WDHA症候群
     ガストリン:Zollinger-Ellison症候群
     セロトニン:カルチニド腫瘍
     プロスタグランジン:甲状腺髄様癌
     4)腫瘍性:大腸繊毛腺腫
     5)脂肪性:オレイン酸などの脂肪酸もアデニルサイクラーゼを刺激する。慢性膵炎など。

     ②浸透圧性下痢
     1)マグネシウムイオン、リン酸イオン、ラチュロース、ソルビトール等の摂取。
     2)2糖類分解酵素欠乏症:乳糖不耐症など

     ③炎症性下痢
     潰瘍性大腸炎、Crohn病、腸結核

     ④短縮や蠕動運動の亢進による水分吸収の低下:過敏性大腸症候群、甲状腺機能亢進症など。

     ⑤蛋白漏出性胃腸症。



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    [ 2012/12/01 12:00 ] 病理学 | TB(0) | CM(0)
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