腎泌尿器・・・全身性疾患による腎障害 看護学生嘆きの部屋

    看護学生がんばれ!看護師国家試験対策。隣地実習対策。解剖生理、病態生理。検査、基礎看護から各論まで。資料満載です!

    ホーム > 泌尿器 > 腎泌尿器・・・全身性疾患による腎障害

    腎泌尿器・・・全身性疾患による腎障害






    全身性疾患による腎障害

    □糖尿病性腎症
    糖尿病の約15%に発症
    透析導入原因の第1位(約40%、12,000人以上)
    透析療法に至った糖尿病患者の生命予後は不良
    □成因
    ・遺伝因子
    腎症合併は糖尿病症例の約40%
    腎症が集積する糖尿病家系の存在
    ・環境因子
    メサンギウム細胞の代謝異常
    腎臓内血行動態異常と糸球体高血圧
    非酵素的糖化の亢進と最終糖化産物(AEG)の産生
    サイトカイン・成長因子の産生増加
    ○病理
    びまん性病変: メサンギウム領域へのPAS陽性物質の蓄積
    結節性病変: ■糖尿病性腎症により特徴的
    ・Kimmelstiel-Wilson
     浸出性病変(fibrin capとcapsular drop) 
     基底膜肥厚部にIgGが線状に沈着(膜性腎症は顆粒状に沈着)
    ○病態
    ・腎症前期
    1型糖尿病では糸球体過剰濾過症例が存在
    糸球体に軽度のびまん性病変が存在するが、臨床的には腎症と診断できない病期
    ・早期腎症期
    微量アルブミン尿(尿中アルブミン30mg/gCr以上かつ300mg/gCr未満)
    血圧の上昇
    結節性病変が存在することもある
    ・顕性腎症期
    試験紙法陽性
    顕性腎症後期: 尿蛋白量1g/日以上、Ccr60mL/分以上を目安
    ・腎不全期
    腎萎縮は著明ではなく、高度の蛋白尿が持続する場合がある
    ・透析療法期
    ○検査
    ・糖尿病患者の腎生検の適応
    5~10年以内の蛋白尿やネフローゼ症候群の出現
    持続性の血尿
    急激な腎機能低下
    網膜症、神経障害、高血圧はないが蛋白尿や腎不全がある
    ○予防・治療
    厳格な血糖コントロールは発症・進展を抑制する
    微量アルブミン尿、顕性腎症を呈する場合は(正常血圧でも)ACE阻害薬が進展抑制に有効
    蛋白制限食: 顕性腎症以後は蛋白制限食を勧めるがエビデンスに乏しい
    糖尿病性腎症の透析療法では特に心不全の合併が多い
    ○合併
    通常は糖尿病網膜症や糖尿病性神経障害のあとに腎症となるが例外もある


    □ループス腎炎
    SLE患者の約半数で発症
    ネフローゼ症候群を呈するのが37%~55%
    急速進行性糸球体腎炎を呈するのが24~50%
    ○病理
    ・光顕所見
    Ⅰ型: 正常に近い
    Ⅱ型: 軽度の増殖性変化
    Ⅲ型: 巣状分節性腎炎
    Ⅳ型: びまん性メサンギウム増殖性腎炎
    Ⅴ型: 膜性腎症
    ワイヤーループ病変
    ・蛍光所見
    免疫グロブリンと補体の沈着: IgG、IgA、IgM、C1q
    ・電顕所見
    内皮下、上皮下、メサンギウム域にelectron dense deposits: 拡大するとfinger print像
    ・活動性指数と慢性指数
    ○病因
    ・ループス腎炎型
     補体低下が活動性の目安
    ・抗リン脂質抗体型
     臨床症状・検査 ⇒SLE
    ○治療
    ・中等度のループス腎炎
    プレドニゾロン40mg/日から開始
    1年後で15~20mg /日程度で維持
    ・高度のループス腎炎
    プレドニゾロン40~60mg/日で開始
    免疫抑制薬併用
    半月体形成あればステロイドパルス療法を行うこともある


    □強皮症腎
     ⇒全身性強皮症
    心肺病変とともに全身性強皮症の予後を左右する
    5~20%で突然に悪性高血圧を呈して急速に腎不全に至ることがある(強皮症腎クリーゼ)
    ○病理
    弓状動脈から小葉間動脈にかけてヒアルロン酸を主体とするムコ多糖の増加による内膜の浮腫性肥厚(mucoid thickening)あるいは同心円状内膜肥厚(onion-peel)がみられる 
    ○病態
    蛋白尿は陰性か軽度
    初期にはGFRに比べてRPFが低下
    血管病変は血栓性血小板減少性紫斑病と類似し、細血管障害性溶血性貧血と消費性血小板減少を生じうる

    □強皮症腎クリーゼ
    ○病態
    小葉間動脈から輸入細動脈にかけてフィブリノイド壊死と血栓形成
    寒冷刺激や脱水、感染症、NSAID、ステロイド大量投与などを誘因として、輸入細動脈が攣縮すると強皮症腎クリーゼとなり悪性高血圧にいたる
    血小板低下進行と溶血を呈す血栓性血小板減少性紫斑病類似の病態からの強皮症腎クリーゼへの進行もある
    MPO-ANCA陽性の半月体形成性糸球体腎炎による非高血圧型の腎クリーゼもある
    ○治療
    早期にACE阻害薬を中心とした降圧療法
    大量ステロイドと免疫抑制薬: MPO-ANCA陽性の半月体形成性糸球体腎炎による腎クリーゼで適応
    血漿交換: 血栓性血小板減少性紫斑病類似の病態からの進行を阻止する


    □紫斑病性腎炎
    Schonlein-Henoch紫斑病の約50%で生じる
    半分以上は5歳以下で発症
    成人発症では腎障害合併頻度が高い
    ○症状
    皮膚症状のピークが過ぎてから血尿、蛋白尿が出現
    約10%はネフローゼ症候群、高血圧、腎不全を呈す
    半月体形成率が腎臓の予後を決定
    ○病理
    メサンギウム細胞の増加(核の分裂像)とメサンギウム基質の増生
    半月体形成: 治療法決定に重要
    メサンギウム領域と糸球体係蹄壁にIgA沈着
    ○鑑別
    ・確定診断は腎生検
    ループス腎炎
    クリオグロブリン血症
    結節性多発動脈炎
    ○予後
    治療により90%が完治する
    しかし、その後に再燃し長期的に腎不全に至る例は約20%。
    ○治療
    ・半月体形成率によって治療法を決定
    メサンギウム増殖のみ: 抗血小板薬、ACE阻害薬など
    半月体形成10~15%以上: ステロイド治療
    さらに重症であればパルス療法や免疫抑制薬など


    □アミロイド腎(renal amyloidosis)
    全身性アミロイドーシスの一部分症状
    アミロイドーシスの予後を規定する因子として重要
    ○病理
    アミロイド腎は正常の約1.5倍まで腫大するが、末期には萎縮傾向
    Congo red染色でアミロイドが赤紫に染まり、偏光顕微鏡でエメラルド様の緑色の複屈折像
    メサンギウムに結節状に沈着するものはAA蛋白が主要構成成分になっているものが多い
    糸球体毛細血管壁に高度に沈着するものはAL蛋白が主要構成成分になっているものが多い
    ○病態
    糸球体毛細血管壁に沈着: 高度で非選択的な蛋白尿
    メサンギウムに沈着: 糸球体毛細血管腔が狭小化し腎機能低下が先行
    近位尿細管管障害: Fanconi症候群
    遠位尿細管障害: 高K型尿細管性アシドーシスや尿崩症
    ○鑑別
    糸球体に結節状病変を呈するものとして、巣状糸球体硬化症、糖尿病性腎症、アミロイド腎
    ○予後
    ネフローゼ症候群出現後3年生存率は10%以下


    □骨髄腫腎(myeloma kidney)
    ⇒多発性骨髄腫
    軽鎖による尿細管障害と糸球体障害
    ○病因
    ・尿細管障害
    中性ないし陽性荷電状態にある軽鎖は糸球体毛細血管壁を透過して尿中に排出される(Bence Jones蛋白)
    近位尿細管で再吸収された軽鎖は機能障害の原因となる
    再吸収されなかった軽鎖はTamm-Forsfallムコ蛋白と結合し、さらに尿の酸性化と濃縮により重合し、遠位尿細管内で円柱を形成する
    ・糸球体障害
    糸球体毛細血管壁を透過しにくい軽鎖は糸球体基底膜や糸球体外小血管壁などに沈着する
    アミロイド構造をとって沈着(AL型): γ鎖が多い
    無構造に沈着(軽鎖沈着症): κ鎖が多い
    ○病理
    ・尿細管・間質病変
    尿細管萎縮
    尿細管は円柱で満たされる画像リンク
    円柱の多くは均質でエオジン濃染
    円柱周囲には多核細胞
    間質には炎症細胞浸潤と繊維化
    ・糸球体病変
    電顕で糸球体内皮細胞、上皮細胞に結晶性封入体
    ○臨床症状
    ・蛋白尿
    骨髄腫の60~80%
    Bence Jones蛋白
    高度で非選択性の蛋白尿
    ・近位尿細管障害
    Fanconi症候群
    近位尿細管性アシドーシス
    ・遠位尿細管障害
    尿濃縮障害
    遠位尿細管性アシドーシス
    ・腎不全
    約半数が慢性腎不全に至る
    急性腎不全の誘因に注意
    ・骨髄腫そのものの症状
    ○治療
    骨髄腫の治療
    急性腎不全の誘因に注意


    □痛風腎
    ⇒痛風
    尿酸塩結晶が尿細管管腔および間質に析出することが主因
    尿酸濃度が最も高くなり、かつ尿が酸性に傾きやすい髄質を中心に尿酸塩の沈着が起こり、続いて上行性のネフロン変性が惹起される
    高血圧、糖・脂質代謝異常などによる細動脈硬化が加わり広義の痛風腎が形成される
    ○症状
    尿路結石
    初期は蛋白尿は認めないか軽微
    尿濃縮能の低下が初期より認められる
    ○検査
    尿酸塩はX線透過性
    超音波で髄質から皮髄境界部にかけて巣状に高エコー部位や結石形成を認めることがある


    □腎障害をきたす感染症
    ・病原性大腸菌
     溶血性尿毒症症候群
    ・A型連鎖球菌
    急性糸球体腎炎
    ・四日熱マラリア
    ネフローゼ症候群
    ・ハンタウイルス
    腎症候性出血熱
    ・ワイル病
    蛋白尿など腎炎所見
    ときに急性腎不全も伴う
    関連記事




    [ 2012/12/12 21:00 ] 泌尿器 | TB(0) | CM(0)
    コメントの投稿













    管理者にだけ表示を許可する
    看護学生相談の部屋
    掲示板です。悩みや質問など、みんなで解決できますように。
    検索
    google
    rakuten