輸血検査・輸血に伴う副作用 看護学生嘆きの部屋

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    輸血検査・輸血に伴う副作用






    輸血検査
     
    ABO式血液型
     
    血液型
    日本での
    頻度
    血球の
    抗原
    血清中の
    抗体
    オモテ試験※1
    ウラ試験※2
    抗A
    抗B
    A血球
    B血球
    A型
    39.1%
    H・A
    抗B
    B型
    21.5%
    H・B
    抗A
    O型
    29.4%
    H
    抗A・抗B
    AB型
    10.0%
    H・A・B
    なし
     
     
     
     
     
     
     
     
    Bombay型※3
    まれ
    なし
    抗A・抗B
     
     
    1 オモテ試験…血球の抗原を調べる検査。抗体を加えて行う。
    ※2 ウラ試験…血清中の抗体を調べる検査。抗原を加えて行う。
    ※3 Bombay型…通常、赤血球膜上にはA・Bという2種類の抗原の他に、A・B両抗原の前駆体であるH抗原が発現している。H遺伝子の変異によって、H抗原をはじめ赤血球膜上のすべての抗原が発現されなくなったものがBombay(Oh)型で、血清中には抗A・抗B・抗H抗体が検出される。
     
    自然抗体と不規則抗体
    赤血球に対する抗体には、自然抗体(規則抗体)と不規則抗体の2種類がある。
     
    自然抗体
    ABO血液型の抗Aと抗B抗体のこと。遺伝によって受け継がれ、一生涯変化しないものとされている
     
    不規則抗体
    A・抗B抗体以外の抗体の総称で、その多くは輸血や妊娠などの免疫感作後に産生される。日常よく遭遇する不規則抗体には、Rh系の抗Eや抗Lewis(抗Le)などがある。不規則性抗体の検出は、輸血副作用、血液型不適合妊娠などの原因を調べるため実施される
     
    交差適合試験
     
    交差適合試験は、血液型の適合性だけでなく、不規則抗体の有無を検出するために、輸血直前に行う検査である。この検査を厳密に行えば、不規則抗体による即時的な輸血副作用(溶血反応)の発生を最小限にとどめて、できるだけ安全な輸血を行うことができるようになる。交差適合試験には主試験と副試験がある。
     
     
    患者血
    ドナー血
    目的
    主試験
    血清
    血球
    患者血清中のドナー血に対する不規則抗体の検出
    副試験
    血球
    血清
    ドナー血清中の患者血球に対する不規則抗体の検出
     
    血小板抗原
     
    赤血球の表面にはHLAの発現はみられず、A抗原とB抗原が発現しているが、血小板の表面上にはHLAクラスⅠ抗原とヒト血小板特異抗原(HPA)が発現している。血小板輸血時には、これらの抗原に対する抗体の反応によって種々の病態がおこることがある。
     
    血小板同種抗原が関与する病態
     
    病因
    病態
    主な症状
    輸血後紫斑病
    (PTP)
    輸血血液中の抗HPA抗体
    患者の血小板を破壊し、著しい血小板の現象がおこる
    紫斑
    新生児同種免疫性
    血小板減少症(NAIT)
    母親の抗HPA抗体
    児の血小板破壊に伴う血小板減少
    重篤例では、
    脳内出血・水頭症
    血小板輸血不応状態
    患者の抗HLA抗体or抗HPA抗体
    輸血された血小板の破壊
    血小板輸血不応症
     
    適正輸血
     
    血液製剤の種類とそれぞれの特徴
     
    製剤
    保存条件
    有効期限
    内容
    適応
    赤血球濃厚液
    (RCC)
    4~6℃
    (冷蔵庫)
    採血後 21日間
    200ml全血(1単位)由来の場合、MAP液が添加され、最終容量は約140mlとなる。Ht値は60~70%で、Hbは1単位に約29g含まれている。体重50kgの男性に1単位投与すると、Hbが0.5g/dl、Htが1.5%上昇するとされる
    出血(循環血液量の
    15%以上の減少)
    貧血(Hb 8.0g/dl 以下)
    再生不良性貧血、
    白血病、溶血性貧血
    新鮮凍結血漿
    (FFP)
    -20℃以下
    (冷凍庫)
    採血後 1年間
     
    融解後 3時間
    いったん凍結させて保存し、使用直前に融解させることから、細胞成分はほとんど破壊されるが、凝固因子(糖タンパク)は正常血漿中とほぼ同様の活性を示す
    凝固因子の欠乏による
    出血傾向の是正
    血友病、vWD、DICなど
    濃厚血小板
    (PC)
     
    20~24℃
    (室温)で
    水平振盪
    採血後 72時間
    血漿約20ml中に通常0.2×1011個以上の血小板を含む。これを1単位とし、体重50kgの男性に投与すると血小板が5000/μl増えると言われている。通常10単位~15単位使用される
    血小板減少症
    (2×104/μl 以下)
     
    ※ 融解後3時間も経過すると、新鮮凍結血漿中の凝固因子(糖タンパク)が変性してしまうから
    ※ 濃厚血小板を室温で保存するのは機能を温存するためで、水平振盪するのは呼吸交換の効率を上げるためである
     
    白血球除去フィルター
     
    輸血用血液製剤中に残存した白血球は、輸血副作用の1つである輸血後GVHDの主な原因で、これを99.99%以上除去するために開発されたのが白血球除去フィルターである。しかし、白血球を完全に100%除くことは不可能で、105~106個程度は血液製剤中に残存しており、このフィルターだけで輸血後GVHDの発生を完全に阻止することはできない。そのため、輸血後GVHDの発生する可能性を限りなくゼロに近くするために、白血球フィルターに加えて、1.5Gy以上の放射線照射が行われる。
     
    自己血輸血
     
    自己血輸血ではウイルスなどの感染症や同種免疫による副作用が少ないことから、最近では患者からの希望も増え、需要も増加してきている。自己血輸血には大別して以下の種類がある。
     
     
    血液の由来
    長所
    短所(可能性)
    術前貯血式
    手術予定の約2~3週間前から貯血開始
    免疫反応、ウイルス感染なし
    貯血量に制限
    患者の貧血状態
    貯血期間が必要
    増血剤が必要
    術前希釈式
    手術直前に脱血し保管する
    免疫反応、ウイルス感染なし
    緊急時に対応
    貯血期間が不要
    循環動態の変化
    脱血量に制限
    術中回収式
    手術中の出血した血液を回収
    免疫反応、ウイルス感染なし
    緊急時に対応
    脂肪・空気塞栓
    細菌や癌細胞の混入
     
    輸血副作用
     
    輸血副作用の種類
     
     
    即時型
    遅延型
    溶血性
    副作用
    即時型溶血反応
    遅延型溶血性輸血副作用(DHTR)
    非溶血性
    副作用
    発熱性副作用
    アレルギ―性副作用
    アナフィラキシー様副作用
    輸血関連急性肺障害(TRALI)
    クエン酸中毒
    凝集塊や空気の混入に伴う塞栓症
    輸血後GVHD
    血小板輸血不応状態
    輸血後紫斑病
    ヘモクロマトーシス
    感染性
    副作用
    輸血感染症
     
    溶血性副作用
     
     
    即時型輸血副作用
    遅発型輸血副作用
    時期
    輸血開始後、数秒~数時間以内
    輸血後7~10日頃
    原因
    ABO不適合輸血
    輸血された赤血球抗原に対する既往抗原の存在(免疫の2次応答がおこる)
    症状
    軽症(ここまでで気づけば治療不要)
    輸血肘静脈から腋窩にかけての熱感、血管痛、顔面紅潮・蒼白、不隠状態、胸内苦悶、呼吸困難、頻脈、腹痛、腰痛
    中等症(直ちに輸血を中止して治療)
    発熱、悪寒・戦慄、悪心、嘔吐、失禁、チアノ-ゼ
    重症(死亡につながる)
    血圧低下、ショック、血色素尿症、乏尿・無尿、腎不全、DICの合併
    即時型輸血副作用に比べて症状は軽く、DICや急性腎不全をおこすことはまれ。症状としては、
    ・発熱
    ・黄疸…輸血された血清中の抗体が結合した赤
    血球は肝脾の網内系で捕捉され、Hbの代謝
    産物であるビリルビンが血中に放出される
    (血管外溶血)
    ・貧血…急速に進行し、輸血を必要とすることが
    多い
    ・褐色尿…血管内溶血により、赤血球中のHbが
    血管内に放出され、腎から排出される
    特徴
    人為的ミスによっておこるものが多い
    輸血経験者や妊娠既往のある人に多い
    治療
    ・輸血の中止(留置針は残しておく)
    ・輸液(血圧維持・利尿のため)
    ・(血圧低下の際には)ドーパミン投与
    ・(乏尿の際には)利尿剤の静注
    ・血液透析(輸血・利尿剤に反応しない場合)
    輸血後日数が経過しているので、診断をつけることが一番重要である。一般に症状は軽く、特に治療の必要はない。しかし、貧血が急速に進行して、輸血を必要とすることが多いので、適合血の準備が必要である
    非溶血性副作用
    発熱性副作用
    【症状】    輸血中or輸血後2時間以内の発熱
    【頻度】    0.4~2%
    【原因】    頻回輸血によって患者血清中にできた抗顆粒球抗体・抗HLA抗体・抗血小板抗体および発熱性サイトカイン(IL-1・IL-6・TNFαなど)
    【予防】    白血球除去フィルターで、ある程度可能。保存前白血球除去を行うと、発熱性サイトカインの産生が抑制される
    【対処】    直ちに輸血を中止し、必要に応じて下熱剤を投与する。患者血清と輸血製剤のパイロットチューブを血液センターに検索のために提出する。洗浄血液製剤の投与を考慮する
     
    アレルギ―性副作用
    【症状】    蕁麻疹・血管浮腫・皮膚紅斑など皮膚に限局したアレルギー反応
    【時期】    輸血後数分~30分以内
    【頻度】    全輸血患者の1~2%
    【原因】    濃厚血小板が全体の半数以上を占め、血漿蛋白に対するアレルギー反応が主因と考えられている
    【治療】    抗ヒスタミン剤(全身性の症状の時にはステロイド剤)の投与を考慮する
    【予防】 蕁麻疹などの軽症のアレルギー反応を繰り返すものでは、輸血前に抗ヒスタミン剤を投与する(血液製剤中に混ぜると、溶血がおこってしまうので、必ず輸血前に行う)
     
    アナフィラキシー様副作用
    【症状】    皮膚などの局所にとどまらず、全身違和感・腹痛・下痢・嘔吐・呼吸困難・喘鳴・頻脈・不整脈・ショックなどの全身症状を伴う重症即時型のアレルギー反応
    【時期】    輸血後数分~30分以内(わずか数mlで発症することもある)
    【頻度】    全輸血患者の0.02~0.1%
    【原因】    濃厚血小板が全体の70%以上を占め、血漿蛋白に対する同種免疫反応が主因と考えられている
    【背景】    頻回輸血患者、輸血に対するアレルギー歴のある患者、妊娠歴のある女性に多い。その他、IgA欠損症(IgG抗体)、トランスフェリン血症、ハプトグロビン血症などのある患者でも高率に発生する
    【治療】    アドレナリンの皮下投与、ステロイド剤の静注、抗ヒスタミン剤の投与、ドーパミンなどの昇圧剤の投与
    【予防】    輸血によるアナフィラキシーの既往のある患者では輸血を避ける。どうしても輸血が必要な場合には、血漿蛋白の除去されている洗浄血を用いるか、ステロイド剤などの前投与を行う
     
    輸血後GVHD(TA-GVHD)
    【病態】    血液製剤中のリンパ球が患者のHLA抗原を認識し、急速に増殖して患者の体組織を攻撃・障害することによりおこる。当初は免疫不全患者にのみ発症すると考えられていたが、免疫不全のない患者でも、HLAの一方向適合を主要な条件として発症することが分かった
    【症状】    輸血の1~2週間後に発熱・紅斑が出現し、肝障害・下痢・下血などの症状が続き、最終的には骨髄無形成・汎血球減少症、さらには多臓器不全を呈し、輸血から1ヶ月以内にほとんどの症例が致死的な経過をたどる
    【機序】    ドナーのHLAハプロタイプがa/aで、受血者のHLAハプロタイプがa/bの場合(HLAの一方向適合)、受血者側のリンパ球(a/b)は供血者側のリンパ球(a/a)を認識できないが、供血者側のリンパ球(a/a)が受血者側のリンパ球(a/b)のbを認識して攻撃する。その結果、供血者側のリンパ球(a/a)が生着増殖し、受血者の組織を攻撃するようになる
    【背景】    原疾患は外科系手術患者が全体の約8割を占め、胸部外科開心術症例と担癌患者手術症例に特に多い
    【原因】    血液製剤としては、リンパ球の力が維持されている新鮮血によるものが約半数を占める
    【予防】    血縁者からの輸血を避けることと、輸血用血液の放射線照射※(15~50Gy)
    ※放射線照射によりK+濃度が上昇するので、できるだけ早めに使用する
    【治療】    現時点で確実な治療法はなく、死亡率95%以上
    【診断】    マイクロサテライトDNA法により、患者以外のリンパ球が増えていることを証明すれば、診断は確定となる
     
    輸血関連急性肺障害(TRALI)
    【症状】    輸血の数時間後に、発熱・咳・呼吸困難・血圧低下などが出現する。輸血後に喘鳴を聞いた際には、まずこの疾患を疑わなければならない
    【特徴】    症状は循環負荷によらない
    【頻度】    発生頻度は低いが、輸血副作用の死亡原因としては高い
    【原因】    血液製剤中および受血者血中の抗白血球抗体(抗HLA抗体・抗リンパ球抗体・抗顆粒球抗体)など
    【所見】    胸部単純X線写真で、両側間質影・肺浸潤影が認められる。心拡大はない
    【治療】    酸素投与、呼吸と循環の管理、ステロイド使用
     
    輸血後紫斑病
    【症状】    輸血後1週間くらいに血小板が著明に減少し、これが1ヶ月以上持続する
    【病因】    輸血により血小板特異抗体が患者血清中に産生され、これが患者血小板を破壊する
    【治療】    糖質コルチコイド(副腎ステロイド)の投与および血漿交換
     
    ヘモクロマトーシス
    1mlの全血はFeを0.5mg含んでおり、24時間以内に排泄されるFeは約1mgである。頻回の輸血を受けると、Feが網内系に蓄積し、実質細胞にも沈着して、組織障害をおこす。治療では、deferoxamineを投与して、体内に蓄積されたFeを排出させればよい
     
    クエン酸中毒
    採血した血液はそのままの状態では固まってしまうので、抗凝固剤が加えられている。その抗凝固剤の中にクエン酸が含まれている。大量輸血※時には、大量のクエン酸が体内に入ることになる。クエン酸はCa2+と結合する性質があるため、一時的に血中のカルシウム濃度が下がり、唇や指先がしびれたり、寒気がしたりすることがある。しかし、体内に入ったクエン酸は速やかに代謝されるので、体内に蓄積して害を及ぼすことはほとんどない
    ※急速大量輸血時には、クエン酸中毒による低カルシウム血症以外に
    高カリウム血症がおこることがある
     
     
     
    輸血時に感染症を引き起こす可能性のある主な病原体



    B型肝炎ウイルス
    問診、HBs抗原・HBc抗体、NAT(ウイルス核酸増幅)検査により予防
    C型肝炎ウイルス
    問診、HCV抗体、NAT検査により予防
    GB肝炎ウイルス
    輸血後肝炎の原因ウイルス。現在は輸血のためのスクリーニング検査は行われておらず、目下検討中である
    HIV
    問診、HIV抗体、NATにより予防
    HTLV-1
    問診、HTLV-1抗体により予防
    パルボウイルスB-19
    小児流行性紅斑(リンゴ病)の原因ウイルス。溶血性貧血の患者で赤芽球癆をきたす。スクリーニング検査を検討中
    サイトメガロウイルス
    飛沫感染により、多くの人は成人するまでに免疫を獲得している。免疫不全状態時に輸血で感染すると、骨髄障害・肝障害・間質性肺炎などをきたす。白血球除去フィルターで予防可能

    エルシニア菌
    採血後間もない血液では混入したエルシニア菌を迅速確実に検出するスクリーニング法は現在ない。長期保存時には、血液バッグの外観が変化する(MAPであれば、少し赤っぽい色→真っ黒)ことに注意
    皮膚常在菌
    採血部位の消毒により予防


    梅毒
    問診、RPR、TPHAにより予防
    プリオン
    クロイツフェルド・ヤコブ病(CJD)の原因となるタンパク質。イギリスで狂牛病が流行した1980~1996年に通算6ヶ月以上滞在したことのある人からの献血は断っている
    マラリア
    問診、帰国後献血制限により予防
    その他の輸入感染症
    問診、帰国後献血制限により予防
    西ナイルウイルス
    問診、帰国後献血制限により予防
     
    細胞治療・再生治療と輸血医学
     
    ウイルス不活化
    輸血により伝播するウイルスには、HIV・HBY・HCV・HTLV-1・CMV・HPV B19などたくさんの種類がある。抗原抗体反応を利用した検査やNAT検査(ウイルス核酸増幅検査)がスクリーニングで取り入れられるようになり、血液製剤は以前に比べてはるかに安全なものになってきたが、スクリーニング検査だけで、輸血によるウイルスの伝播を完全に防ぐことはできない。
    そこで、①光増感剤や②化学化合物を使って、血液製剤中のウイルスを不活化させようという取り組みが始められている。
    ①の光増感剤(メチレンブルーなど)は、光による励起を利用してフリーラジカルを生成し、ウイルスに障害を与えるものであるが、白血球をも不活化する上、溶血・カリウム漏出・赤血球凝集などの問題がある。
    一方、②の化学化合物は、ウイルスのDNAを破壊する物質であるが、まだ変異原性など不明な点も数多く残っている。
     
    人工血液製剤
     
    ヒト由来血液製剤には、感染症リスクの存在、輸血副作用の可能性、血液型への依存性、原料供給の問題、保存期間の短さ、緊急災害時の大量確保の困難さなどの問題があるため、人工血液製剤の研究・開発が最近になって行われ始めている。
    人工血小板は今現在研究中で、製品化にはまだまだ時間がかかりそうである。人工血漿としては、人工的膠質輸液や遺伝子組み替え型ヒトアルブミンの利用が考えられている。人工赤血球は最も開発が進んでおり、人工の酸素運搬体としてさまざまな種類のものが開発されている。日本ではそのいくつかが臨床試験中で、実際に臨床の場で使われ始めるのもそう遠くないかもしれない。
     
    血液浄化療法
     
    血漿交換(PE)
    分離された血漿を廃棄し、ヒト蛋白成分を含む電解質液で置換する方法で、主に新鮮凍結血漿で置換されることが多い。このように一般に大量の補充液が必要で、適応は血管疾患では血小板減少性紫斑病・尿毒症症候群・過粘稠度症候群・クリオグロブリン血症・輸血後紫斑病など限られたものにすぎない
     
    血液(血漿)吸着(二重濾過法)
    体外循環回路中に2重のフィルターを挿入して、血液中から病因物質or病因関連物質を吸着する方法。2次フィルターでトラップされた血漿大分子だけが廃棄され、1次フィルターでトラップされた血球成分と2次フィルターを通過した血漿の小~中分子をあわせて体内に戻す
     
    血球除去
    血液成分中の細胞を分離除去する方法。膠原病(RAなど)、炎症性腸疾患において行われるリンパ球除去、白血病において行われる白血球除去、骨髄増殖性疾患(CML・本態性血小板増多症)において行われる血小板除去の3種類がある
     
    血液透析(HD)
    腎臓内科で広く用いられる透析法。多孔質膜の中空糸をダイアライザー(透析器)として用い、ここで微小孔を介した血液と透析液との浸透圧差による水分と老廃物の除去が行われる。合併症として、循環不全、出血傾向、脳神経障害、感染、補体系の活性化による肺障害、透析アミロイドーシス、二次性甲状腺機能亢進症などがあげられる
     
    血液濾過(HF)
    腎臓内科で用いられる血液浄化法。濾過により、半透膜を介して水・溶質の交換を行うものである。水透過性の高い半透膜を通して大量の濾液+溶質が排泄されるため、その分を補充液にて補わなければならない。急性腎不全や肺水腫などの治療の際には、水分除去が目的のため補充液は用いられない(限外濾過)
     
    腹膜透析(PD)
    腎臓内科で用いられる血液浄化法。腹膜を透析膜として利用し、腹腔内への透析液の注入→貯留→排出をくり返すことにより血液の浄化が行われる
     
    妊娠と輸血~血液型不適合妊娠による新生児溶血性疾患~
     
    新生児溶血性疾患(HDS)とは、胎児赤血球が母体血流に流入することにより免疫刺激を受けて、母体で産生された抗体が胎盤を通過して胎児に移行し、対応抗原をもつ胎児赤血球と結合し、この血球が分娩前or分娩後に溶血に至ることをいう。
    原因となる抗体はIgG抗体である。主としてRhとABO抗原がHDNの原因となるが、Rh型不適合によるものが最も多い。
    RhD(-)の妊婦がRhD(+)の児を身ごもった場合には、抗RhD抗体の有無により2つの対処法がある。RhD不適合輸血あるいはRhD不適合妊娠の既往のために、抗RhD抗体がすでに血液中に産生されている場合には、母体の血漿交換や子宮内胎児輸血を行わなければ、胎児は助からない。一方、母体に抗RhD抗体が存在しない場合には、抗D免疫グロブリンの筋注を行って、母体がRhD抗原に感作されるのを防止しなければ、いずれ抗体が産生されるようになり、胎児はHDSになってしまう。
     
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    [ 2012/12/14 15:00 ] 検査 | TB(0) | CM(0)
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