骨折の種類 看護学生嘆きの部屋

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    骨折の種類






    <骨折の種類>

    ○複雑骨折
    開放骨折と同義語で、骨折した骨が皮膚を突き破った状態をいう。骨への感染を防ぐため、受傷後6時間(ゴールデンアワー)以内に掻爬、洗浄しなくてはならない
    ○単純骨折 皮下骨折と同義語で、皮膚が破れていない骨折の総称である。折れ方の複雑性とは無関係な名称である
    ○疲労骨折 軽い外力がくり返しかかることによって起こる骨折のこと。陸上選手やサッカー選手にみられる第2中足骨骨折など
    ○病的骨折 骨粗鬆症や悪性腫瘍の骨転移などによる骨の脆弱化が背景にあり、ふつうではありえない軽微な力によって骨折が起こること

    <冠名骨折>
    骨折名 骨折箇所 特徴など

    ○上肢
    ・Barton骨折
     橈骨遠位端の関節内
     遠位骨端が手根骨とともに背側に転位しているものを背側Barton骨折、掌側に転位しているものを掌側Barton骨折とよぶ
    ・Bennett骨折
     第1中手骨基部関節
      尺側基部に三角形の小切片を残して、遠位骨片は頭側近位方向に転位
    ・Colles骨折
     橈骨遠位端(骨折片が背側に転位)
     フォーク状変形を呈し、尺骨茎状突起骨折の合併がみられることがある。
     また治療中に正中神経麻痺や長母指伸筋腱の皮下断裂などをきたすこともある
    ・Galeazzi骨折
     橈骨骨幹部
     尺骨遠位端の脱臼を伴う
    ・Monteggia骨折
     尺骨骨幹部
     橈骨頭の前方脱臼を伴う
    ・Smith骨折
     橈骨遠位端(骨折片が掌側に転位)
     Colles骨折とは逆側の骨折

    ○脊椎
    ・hangman骨折
     軸椎関節突起間
     首吊りなどによる伸展と牽引で発生する。
     両側椎弓根の骨折による椎体と椎弓の離断に特徴
    ・Jefferson骨折
     環椎の破裂骨折
     典型的には外側塊に近い抵抗の弱い4ヵ所で折れ、外側塊の外方転位をみる

    ○骨盤
    ・Duverney骨折
     腸骨翼
     大量出血、膀胱・尿道損傷などの合併症がみられる
    ・Malgaigne骨折
     骨盤輪(恥骨・坐骨・腸骨)
     高所から落下して、一側の下肢が突き上げられた際に起こる

    <その他の骨折>

    ○上腕骨顆上骨折
     3~10歳に好発し、小児の肘関節外傷としては最も頻度が高い。
     遊んでいて転落した際に、肘をついて受傷するケースが多い
    症状:肘部の全周にわたって腫脹と疼痛があり、運動障害も著明である
    治療:保存的治療(牽引療法や徒手整復など)が原則
    合併症:橈骨神経麻痺or正中神経麻痺(緩徐に回復する)
    後遺症:Volkmann拘縮、内反肘変形

    ○上腕骨外顆骨折
     5~15歳の小児にみられ、顆上骨折に次いで多い
    症状:外傷後に肘部の疼痛・腫脹・機能障害
    治療:外科的手術が必要となる場合が多い
    後遺症:骨片の転位が大きい場合に保存的治療を続けると、偽関節→外反肘変形→遅発性尺骨神経麻痺

    ○大腿骨頸部骨折
     骨粗鬆症を基盤とした老人に多い
    治療:早期離床のために、手術が選択される場合が多い
      ・関節包付着部の近位の骨折(内側骨折)→人工骨頭置換術
      ・関節包付着部の遠位の骨折(外側骨折)→骨接合術

    ○距骨骨折
     高所より転落したり飛び降りた際に受傷するケースが多い。
     圧迫骨折や粉砕骨折になりやすく、治療が難しい骨折の1つである
    症状:踵の激痛や腫れ、足部の皮下出血や変形
    治療:保存的治療が主体で、徒手整復術+ギプス療法+リハビリテーション+装具療法にて行われる。
       手術は、関節面のズレが著しい症例に行われる

    ○踵骨骨折
     高所からの飛び降りによる受傷が多い。海綿骨であるため圧迫骨折となりやすい
    症状:阻血性骨壊死が起こることは少ないが、有痛性の骨萎縮(Sudeck骨萎縮)の発生率は低くない
    診断:単純X線の側面像で、Bo¨hler角の減少
    治療:ギプス固定or観血的治療(←距踵関節にズレのあるもの)


    <骨壊死>

    ○Kienbo¨ck病
     慢性外傷による月状骨への血行障害に起因する月状骨の無腐性壊死
     青壮年男子(特に、手関節を過度に使用する大工など)に多い
    症状:手関節の掌背屈制限、運動痛、月状骨部の圧痛・腫脹
    治療:長期にわたる装具固定or手術的治療

    ○大腿骨頭壊死
     成人の大腿骨頭の虚血性壊死
    ステロイド投与によるものが約半分を占める
    分類:
     ①特発性(ステロイド投与によるもの、アルコール性、特発性)
     ②症候性(外傷性、塞栓症によるもの、放射線照射によるもの)
    診断:MRIのT1強調画像にて、異常低信号域を呈す
    治療:保存的治療のみで骨頭の陥没変形を防ぐのは難しく、治療としてはもっぱら外科的治療が行われる。具体的には、早期例に対して大腿骨頭回転骨切り術(壊死していない部分を荷重部に移動する手術)が、進行例に対して人工股関節置換術がそれぞれ行われる

    ○Perthes病
     小児に起こる原因不明の大腿骨頭の虚血性壊死
     4~10歳の男児に多い
    症状:跛行、運動時痛(股関節~膝)
    診断:まず超音波検査を行う。X線検査ではWaldenstro¨m signなどの特異所見がみられる。MRIではT1・T2ともに低信号を呈する
    治療:保存的治療or観血的治療

    ○膝関節特発性骨壊死
     高齢女性に発生する原因不明の大腿骨壊死。内果荷重面に好発する
    診断:X線検査で、半円状の骨透亮像
    治療:変形が進行した場合には、脛骨高位骨切り術や人工関節置換術が適応となる

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    [ 2012/12/26 21:00 ] 整形外科 | TB(0) | CM(0)
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