クローン病と潰瘍性大腸炎 看護学生嘆きの部屋

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    クローン病と潰瘍性大腸炎






    <クローン病>

    原因不明で、主として若い成人にみられ、線維化や潰瘍を伴う肉芽腫炎症性病変からなり、消化管のどの部位からも起こりうる。
    臨床像は病変の部位や範囲による。発熱、栄養障害、貧血、関節炎、虹彩炎、肝障害などの全身性合併症が起こりうる疾患である。

    北欧の白人に多く、わが国では非常にまれといわれていたが、わが国においても欧米でもクローン病は増加傾向にある。
    現在日本では人口10万人あたりの有病率は約5人、罹患率は0.5人程度と推定されている。
    初発年齢は10代後半~20代前半にピークがあり、男女差は若干男性に多い。

    分類
    肉眼的病変(縦走潰瘍・敷石像・狭窄など)の存在する部位によって、
     ①小腸型
     ②小腸・大腸型、
     ③大腸型、
     ④直腸肛門型などに分類される。
    これらの病変を欠く場合は特殊型(多発アフタ型、盲腸虫垂限局型など)とされる。
    小腸・大腸型が全体の半分を占め、小腸型と大腸型がそれぞれ1/4を占める。

    病因
    原因は不明であるが、病理像で単球-マクロファージ系細胞とCD4陽性細胞を中心とした免疫異常がみられるため、食事・細菌・ウイルスなどの外因性因子と腸管との相互作用で、腸管に慢性炎症性変化がおこった結果生じたものとする免疫異常説が有力である。
    また、家族内発症が比較的高率にみられ、HLA-DR4と有意の相関を示すことから、遺伝性のファクターの存在も考えられている。

    肉眼所見
    粘膜面の縦走潰瘍(longitudinal ulcer)と敷石像(cobblestone apearance)が特徴的で、これらは健常粘膜をはさんで非連続性に分布することが多く、飛び石病変(skip lesion)とよばれる。

    組織所見
    主として形質細胞とリンパ球よりなる全層性炎症がみられる。
    通常、炎症は粘膜下層で最も強く、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が特徴的所見として観察される。

    症状
    腹痛(一般に軽い下腹部痛)、下痢、発熱、体重減少を4主徴とする。
    その他、肛門病変(裂肛・肛門潰瘍・痔瘻・肛門周囲膿瘍など)、全身倦怠感、血便などが比較的高頻度でおこる。
    これらの症状は慢性に経過し、徐々に進行する。

    検査・診断
    ・血液検査
     70~90%に軽い貧血を認める。
     赤沈亢進・CRP陽性などの炎症所見が80%以上の症例で認められる。
     栄養障害として、低アルブミン血症・低コレステロール血症・各種ビタミン欠乏症を認める。
    ・内視鏡検査
     主に大腸病変の観察に利用される。
     縦走潰瘍(正常粘膜に囲まれた潰瘍)、敷石像(cobblestone appearance)、病変の非連続性などを観察する。
    ・X線検査
     クローン病では、回腸末端を含む下部回腸に病変が多いが、内視鏡では小腸の観察は不十分であり、X線検査は病変部位やその程度の診断に優れる。
     腸間膜側の縦走潰瘍、敷石像、非連続性病変の存在、非対称性の狭窄、瘻孔を示す深いとげ状のバリウム像などがみられる。
    ・生検
     非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の存在、病変の非連続性の証明を行う。

    鑑別診断
    ・潰瘍性大腸炎
     クローン病が全層性炎症を伴うskip lesionを呈するのに対して、潰瘍性大腸炎は粘膜下層までの炎症のみで、病変がびまん性・連続性である。
    ・腸結核
     臨床症状・一般検査所見は類似。
     X線・内視鏡所見から鑑別する
    (腸結核では横走・横列潰瘍、萎縮性瘢痕帯、盲腸・上行結腸の短縮などがみられる)。
    ・虚血性大腸炎
     縦走潰瘍を高頻度に伴うため、鑑別の対象となることがある。
     しかし、縦走潰瘍周囲の敷石像の有無、年齢、病変部位、発症様式、臨床経過などから鑑別は容易である。

    合併症
    ・腸管合併症
     狭窄、閉塞:
      腸壁の全層性肥厚による線維性狭窄、閉塞により、食後の腹痛,腹部膨満感などの通過障害の症状を生じる。
     瘻孔:
      通常は無症状であるが、下痢、吸収障害を生じることがある。腸管膀胱瘻による気尿、尿路感染症、  腸管子宮瘻による性器便、腸管皮膚瘻では皮膚便がある。
     その他:
      出血や穿孔などを認めることもある。
    ・腸管外合併症
     最も多い腸管外合併症は皮膚病変で、結節性紅斑やアフタ性口内炎がある。
     次いで関節炎や関節痛などの関節症状である。
     クローン病においては、皮膚病変や関節病変は大腸型に多い。
     また、胆石症や腎・尿路結石、ぶどう膜炎や結膜炎などの眼病変、脂肪肝、アミロイドーシスなどの合併が知られている。

    治療
    潰瘍性大腸炎と同じく、基本的には対症療法で、栄養療法と薬物療法による内科的治療が中心である。
    ・栄養療法
     完全中心静脈栄養や成分栄養療法といった栄養療法は、栄養状態の改善、腸管の安静だけではなく、食餌抗原への曝露をなくすことにより、クローン病の免疫異常の是正をし、緩解導入を可能にする。
    ・薬物療法
     副腎皮質ステロイド、サラゾスルファピリジンが中心である。
     サラゾスルファピリジンは大腸型には有効であるが、小腸型では無効で、ステロイドがより有効といわれている。
     メサラジンはいずれにも有効である。
    ・外科的治療
     閉塞・狭窄症状の高度なもの、瘻孔・膿瘍を形成するもの、重症の肛門病変や中毒性巨大結腸症を伴うものが手術適応となる。
     しかし、外科的治療は高率に再発をきたすため、内科的治療が基本である。

    ・予後
     本症は慢性に経過し、一時的に緩解を得ても高率に再発・再燃する。
     年余にわたって狭窄・変形が進行し、15年以上の経過例では約半数に手術がなされている。
     一方、発癌などは少なく、生命予後に関してはあまり影響しないといわれている。
     主な死因は術後敗血症や中毒性巨大結腸症、穿孔などである。

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    ○潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
     主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する、大腸の原因不明のびまん性非特異的炎症である。
     大腸粘膜および粘膜下層が主たる炎症の場であり、病変は直腸からびまん性連続性に広がっている。

     わが国で最も多い大腸の慢性炎症性疾患で、人口10万人あたりの罹患率は2.0であるが、欧米に比べて低率である。
     男女比は1:1。年齢分布はクローン病に比べて若干高く、25歳前後にピークがあり、60歳前後に第2のピークがある。

    罹患部位による分類
    ・全大腸炎型、
    ・左側結腸炎型、
    ・直腸炎型、
    ・右側結腸炎型 

    病期による分類
    ・活動期
    ・寛解期

    重症度分類
     排便回数・顕血便・発熱・頻脈・貧血・赤沈という6つの症状の臨床的重症度から分類
    ・軽症
    ・中等症
    ・重症

    臨床経過による分類
    ・再燃寛解型
    ・慢性持続型
    ・急性激症型
    ・初回発作型

    病因
     原因不明であるが、感染説、アレルギー説、酵素説、血管炎説などが唱えられている。
     最近では微生物などに対する免疫機構の関与が有力とされている。
     さらに、免疫学的機序におけるHLAなどの遺伝素因や、自律神経との関連が考えられている。

    病理
     病変は主として結腸・直腸の粘膜・粘膜下層に限られ、一般に長期にわたり増悪と寛解をくり返す。
     その中で、粘膜表層のびらんや粘膜のうっ血に始まり、慢性的に経過するにしたがって、大腸の長さの短縮や腸管ハウストラの消失などが認められるようになる。

    臨床症状
     下痢、腹痛(疝痛で、腹部全体or下腹に限局)、粘血便・血便などを主症状とする。
     持続性・反復性の粘血便・血便が最も特徴的な症状で、程度はさまざまである。
     重症例では悪心・嘔吐、心窩部痛などがみられることもある。
     また、発熱・頻脈・全身倦怠感などの全身症状は、炎症の強さや病変の範囲の広さにより程度が異なる。

    検査所見・診断
    ・末梢血液
     出血による低色素性貧血がみられる。
     活動期にはCRPの上昇、赤沈の亢進、白血球数(特に好中球数)の増加、血小板数の増加がみられる。
     重症例では、頻回の下痢による脱水、電解質異常(Na+・K+低下)がみられることがある。
     また、重症発作時には、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併することがある。
    ・X線造影検査・内視鏡検査
     X線造影検査では、ハウストラの消失に伴い鉛管様(lead pipe)とよばれる特徴的な像がみられる。 
     内視鏡検査ではさらに白帯などの偽ポリープが観察される。
    ・生検
     杯細胞の減少or消失、陰窩膿瘍などが特徴的。

    腸管合併症
    ・中毒性巨大結腸症
     潰瘍性大腸炎の最も重篤な合併症で、腸管の運動低下のために拡張をきたした状態である。腹部は腸管拡張により膨隆し、腸動は減少or消失する。注腸検査、大腸内視鏡検査、抗コリン薬や麻薬の使用、電解質異常などが誘因とされており、重症の大腸炎では腸管運動を抑制する薬物の頻回の使用は禁忌である。
    ・合併大腸癌
     若年発症、全大腸型、10年以上の長期経過例で発生頻度が高い。平坦型で多発性の低分化腺癌・粘液産生癌の頻度が高い。
    ・腸管外合併症
     皮膚粘膜系(壊死性膿皮症・結節性紅斑)が最も多く、肝(脂肪肝・肝硬変・胆管周囲炎)、膵(膵炎・高アミラーゼ血症)、関節(強直性脊椎炎など)、泌尿生殖系(尿路結石など)などの他、橋本病、大動脈炎症候群なども合併しやすい。

    治療 全身管理
     安静の上、脱水、電解質アンバランス、貧血、低蛋白血症、栄養障害の補正を行い、腸管の休養を保つ。

    薬物療法
     サラゾスルファピリジンと副腎皮質ステロイドを中心に行われてきた。
     最近はサラゾスルファピリジンの副作用軽減を目的とし、有効成分5-アミノサリチル酸製剤が開発され、広く用いられてきている。
     この他にアザチオプリンや 6-メルカプトプリンなどの免疫抑制剤が用いられることもある。
     重症例には、中心静脈栄養や経管栄養が行われる。

    外科的治療
    内科的治療に反応しない全結腸型や再燃を繰り返す症例、癌を合併したものは外科手術の適応となる。

    予後
     本症は慢性の経過をたどることが多く、寛解再燃を繰り返す。再燃率は50%前後である。
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    [ 2012/12/28 22:00 ] 消化器 | TB(0) | CM(0)
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