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    疼痛評価






    □疼痛
    痛みは,非常に主観的かつ複雑であり,これを客観的に評価することは非常に困難である.
    痛みは,一元的に評価するものではなく,多元的に評価する必要がある.しかしながら,痛みは主観的な要素が大きく,これを完璧に客観的に評価する方法は現在のところ確立していない.
    以下に評価に用いられている方法を挙げる。


    ◎主観的な痛みを表す評価スケール
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    ○疼痛評価:フェイススケール(face scale)○

    顔の表情を描いた絵を患者に指し示し、「今の痛みに最もあてはまる顔はどれですか?」と表情を選んでもらう。

    利点:小児や高齢者に対しては言葉で説明するよりも分かりやすい。
    欠点:顔の表情は痛みだけでなく気分(不安や悩みがある場合は苦しい顔を選んでしまう)やその他の症状も示してしまうことがある。
       正しい痛みの評価が難しい。

    言葉で痛みを表現する代わりに人間の表情で示したもので,痛みのない顔から,非常に痛みが強い顔まで数段階で痛みの状態を示す方法であり,小児で頻用される.
    6 段階で表したWong-Baker Face Scaleが最もよく使用されているが,20段階で表した顔の表情から患者の気持ちを表現したLorish-Maisiakのface scale などがある.

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    ○疼痛評価:VRS(Verbal Rating Scale)

    「今の痛みはどの程度ですか?次の言葉であらわしてください」と、痛みの強さの数字を口頭で回答する方法。
    数段階の痛みの強さを表す言葉を直線上に記載し,患者に選択させる方法である.
    言語の選択肢が固定されるという限界がある

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    ○疼痛評価:Numerical Rating Scale(NRS)

    治療前の最大の痛みを10とし、現在どのくらいになったかという、痛みの軽減の度合いを評価する場合と、患者が経験した最高の痛みを10とし、現在いくらであるか点数を確認する方法の2通りある。

    利点:使用が簡単、即時に状態を知る事が出来る。一患者の治療前後の比較が容易である。
    欠点:痛みには個人差があり、他の患者と比較する事は適当ではない。慢性痛では痛みの記入点が下がりにくい。

    最もよく使用されている評価法で,0 から10までの11段階の数字を用いて,患者自身に痛みのレベルを数字で示してもらう方法である.
    2 通りの方法があり,初診時または治療前の最大の痛みを10とし,現在はいくつになったかというpain relief scoreを用いる方法と,自分が今までに経験した最高の痛みを10として現在はいくつにあたるかを質問する方法である.
    0 は痛みなし,1 ~3 は軽い痛み,4 ~ 6 は中等度の痛み,7 ~10は強い痛みを表している.
    この方法の欠点は,小児や意識レベルの低下がみられる患者では痛みの数値化が行なえないこと,個性や環境に影響されやすいこと,数字に好みが表れることである.

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    ○疼痛評価:VAS(Visual Analogue Scale)

    10cmまたは20cmの横線上に痛みの程度を患者自身で示してもらう方法。
    左端を0(痛みなし)、右端を10(最高に痛みを感じる)とした、ポイントで示す事もできる。

    利点:使用が簡単、即時に状態を知る事が出来る。一患者の治療前後の比較が容易である。
    欠点:痛みには個人差があり、他の患者と比較する事は適当ではない。慢性痛では痛みの記入点が下がりにくい。

    100mmの水平な直線上に痛みの程度を患者に印をつけてもらい,その長さをもって痛みの程度を数値化するという,大変簡便な方法である.
    線の長さについても検討しており,100mmが適当である.
    VASによる測定を定期的に行なうことや,また治療の前後に測定を繰り返すことにより,痛みの経時的変化を観察でき,治療効果を知ることも可能である.
    急性痛より慢性痛では信頼度が低下することがある.
    VASで30mm以上痛みがある場合を中等度の痛みがあると報告されている.
    しかしながら,痛みを線上で表現することを理解できない患者や視力の低下した患者,高齢者や小児の一部では,方法を習得できないことや他の患者と比較検討ができない欠点がある.VASでは2 回目以降の測定で痛みが増強した場合にVASで100mm以上になった場合にはスケールアウトの問題もある.VASは1 人の患者を経時的に診て比較していくときに有用であるが,患者間での比較という点においては信頼度が低い.

    ◎多元的な痛みを評価する方法
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    ○疼痛評価:痛みの質問表 MPQ(McGill Pain Questionnaire)

    4項目の質問項目からなる。
      1・・・痛みの部位
      2・・・痛みの性質を言語表現
        (さらに20に分類→1-9が感覚言語、10-15が感情言語、
         16が全体評価の言語、17-20が混合型)
      3・・・痛みの時間的変化
      4・・・痛みの強さ(0~5までの段階で評価)
     以上のそれぞれの質問項目を、患者自身が読んで質問に答える。

    痛みは複雑な体験であり,痛みの強度だけでは,その内容を十分に表現することは困難であり,MPQは痛みの評価に心理的な影響を考慮して作成されたものである.
    まず痛みを表す102の言葉を痛みの感覚的表現,痛みによる感情的表現,痛みの評価的表現を表す3 つの語群に分類した.
    痛みに3 側面,すなわち,「感覚―弁別」「感情―情動」「評価―認知」を考慮している.
    この質問表は自記式で,患者は
       
    ①人体図の中に痛みの部位を示す,
       ②痛みを表す表現20の領域78語から,
    患者が自分の状況に最も適切な言葉を各領域から1 つずつ選択する,
       ③現在の痛みの性質および強さを表す言葉を選択する.

    痛みを表す言葉は,各領域で最も軽い痛みから順番に配列されており,最も軽い場合を1 点とし,順次1 点ずつ点数が上がっていく.
    1 ~10の領域は感覚的痛み指数,11~15は感情的痛み指数,16は評価的痛み指数,17~20はその他の痛みを表す指数となり,合計点で評価する.
    MPQは質的,量的な多様性を持った痛みの評価法として有用であり,臨床で広く使用されているが,選択肢が多く,実施に時間がかかるため,一般臨床よりもむしろ臨床研究に使用されることが多い.

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    ○簡易型McGill 痛みの質問表(SF-MPQ)
    MPQの実施には時間を要するため,実際の臨床の場では使用できないこともあり,改良されたのが簡易型McGill 痛みの質問表(Short-FormMcGill Pain Questionnaire:SF-MPQ)である.
    痛みを表す言葉15について痛みの強さを0 ~ 3 の4 つの段階で回答するものである.
    痛みを表す言葉のうち1 ~11は感覚を表しており,12~15は感情を表す言葉である.
    さらに痛みの強さをVisual Analogue Scale(VAS)とPresentPain Intensity(PPI)による6 段階評価で表したものである.
    SF-MPQは質問に答えるのに2 ~ 5 分程度で簡単であるが,通常のMPQとの相関係数は高く,VASよりもより多くの情報を得ることが可能である.
    慢性痛患者において,心因性痛患者では,痛み表現が多彩かつ極端になりやすく,感情的表現に反応しやすい傾向があり,心因性痛と器質性痛の鑑別の一助として有用である.

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    ○Pain and distress scale
    Zungにより開発されたもので,急性痛における痛みの評価1 項目,気分変化6 項目,行動変化13項目についての合計20 項目について4 段階で評価し,痛みによる苦痛の程度を評価するものである.

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    ○簡便痛みの質問表(BPI)
    簡便痛みの質問表(Brief Pain Inventory:BPI)は,本来,がん性疼痛の評価のために作成されたものが,他の疾患に関しても使用されるようになったものである.
    痛みの程度および痛みにより障害される気分や行動について10段階で評価するものである.

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    ◎その他の評価方法
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    ○Roland Morris Disability Questionnaire(RDQ)
    RDQ は,RolandとMorrisによって開発されたもので,これは,腰痛患者に対して使用する質問表である.
    腰痛のために,日常生活行動がどの程度障害されるか否かを尋ねる24項目からなる自記式評価である.

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    ○疼痛生活障害評価尺度(PDAS)
    WHOは,慢性痛などの慢性疾患で生じる日常生活の障害をdisabilityと呼ぶことを提唱し,“人間として正常とみなされる態度や範囲で活動していく能力のいろいろな制限や欠如”であると定義した.
    疼痛生活障害評価尺度(Pain Disability AssessmentScale:PDAS)は,慢性痛患者の身体運動,移動能力に関するdisabilityを評価できるようにした20項目についての質問表である.

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    ○State-Trate Anxiety Inventory(STAI)
    不安の特性.状態理論に基づいて作られたもので,刻々変化する不安状態と不安になりやすい性格傾向を分けて測定できる.

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    ○Illness behaviour Questionnaire(IBQ)
    Pilowskyらが作成したIBQは慢性痛患者の異常疾病行動の認知面把握を目的とした質問表である.
    7 つのスケール62項目の質問からなる.

    ※その他にも,うつ状態の評価であるSelf-Rating Questionnairefor Depression(SRQ-D)や身体疾患を有する患者での抑うつや不安などの症状を評価するHospitalAnxiety and Depression Scale(HADS)なども慢性痛患者でよく使用される.

    ○SF-36
    さまざまな疾患に使われる包括的健康尺度であり,36の質問からなり,8 つの尺度からなる.
    すなわち,
     ①身体機能,
     ②日常役割機能(身体),
     ③日常役割機能(精神),
     ④全体的健康感,
     ⑤社会生活機能,
     ⑥身体の痛み,
     ⑦活力,
     ⑧心の健康
    以上8つについての36個の質問がある.
    得点が高いほど,健康関連のQOLが高いことを示す.
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    [ 2012/12/10 16:30 ] 病理学 | TB(0) | CM(1)
    口頭と口答が違うよ
    [ 2007/06/09 10:32 ] [ 編集 ]
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